今後のコスト増を試算する

月々の総支出(または運用コスト)が1,000万円の製造業の会社における、2026年の「原材料ショック・電気代高騰」による今後の追加コスト増は、月額約65万〜155万円(前年比+6.5%〜15.5%)と試算されます。年間では約780万〜1,860万円の負担増となり、営業利益を大きく圧迫する規模です。
製造業の一般的なコスト構造(原材料費:約40〜50%、光熱費:約5〜10%)をベースに、2026年現在の確定要因と夏〜秋の予測値を反映した試算の内訳は以下の通りです。
1. 電気代(光熱費)のコスト増:【月額 +15万〜45万円】
高圧・特別高圧電力を契約している工場を想定した試算です。
元々の電気代が月50万〜100万円(電力使用量:25,000〜50,000 kWh)の会社の場合:
- 政府補助金の終了(確定影響): 2026年3月使用分で高圧向け補助(0.8円/kWh)が完全に終了しました。これにより、月額2万〜4万円の純増です。
- 再エネ賦課金の引き上げ(確定影響): 2026年4月分から1kWhあたり4.18円に増額されました。これにより、過去最低水準だった時期(1.40円時)と比較して、月額約7万〜14万円の固定負担増となっています。
- 燃料費調整額の急騰(夏〜秋の見通し): 3月以降の中東情勢・原油高に伴う「燃料費調整額」の上昇が、3か月遅れの夏(7〜9月)に直撃します。多くの法人プランで上限価格が撤廃されているため、月額6万〜27万円の追加コストが発生する見込みです。
2. 原材料費・調達コストの増:【月額 +50万〜110万円】
元々の原材料調達費が月400万〜500万円の会社を想定した試算です。ナフサ(粗製ガソリン)ショックに伴う樹脂・化学製品、および梱包材の値上げが影響します。
- プラスチック・特殊樹脂成形品(+15%〜30%): 自動車部品、電子機器筐体、包装資材など、プラスチック加工を伴う部材は旭化成などの大手による一斉値上げの波を受けます。これだけで月額30万〜60万円のコスト増になります。
- 梱包・物流資材(+10%〜20%): 段ボール、ストレッチフィルム、パレットなどの調達費が上昇し、月額10万〜20万円の負担増となります。
- 製品の輸送運賃(+5%〜10%): 軽油価格の高騰により、部材の受入・製品の出荷にかかる物流運賃が段階的に転嫁され、月額10万〜30万円の増加となります。
📊 コストインパクト・サマリー(月1,000万円企業)
| 費目 [1, 2] | ショック前の予算 | 2026年夏〜秋の想定増加額 | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| 電気代・光熱費 | 50万〜100万円 | +15万 〜 45万円 | 補助金ゼロ、再エネ賦課金4.18円、燃料調整費 |
| 調達・原材料費 | 400万〜500万円 | +40万 〜 80万円 | ナフサ不足、樹脂・化学品の値上げ |
| 物流・運賃 | 100万〜150万円 | +10万 〜 30万円 | 燃料高による運賃転嫁 |
| 合計影響額 | 1,000万円 | +65万 〜 155万円 | 総コスト比 +6.5% 〜 15.5% |
企業が取るべき直近の防衛策
- 価格転嫁の早期交渉: 燃料費調整額に上限がない法人の電気代は自助努力での削減に限界があるため、コスト増のデータをエビデンスとして早急に取引先へ価格転嫁(見積もりの改定)を打診する必要があります。
- 基本料金(デマンド値)の引き下げ: 法人の基本料金は「過去1年間の最大ピーク電力」で決まります。今夏の猛暑に向けて、デマンド監視装置の導入や、輪番休憩による「ピークカット」を徹底し、基本料金自体の底下げを図ることが最優先です。